「AV新法」のおかげで現場は大混乱! AV新法最大の問題点とは何か?【篁五郎】
次に7〜9条は撮影についての規定が書かれている。概要は以下の通りだ。
《AV撮影について、
〇契約
書面の交付 から1か月間の撮影の禁止 〇意 に反する性行為は拒絶 できる
〇出演者の安全等に配慮する義務
〇事前確認 の 機会の付与
〇全て
の撮影の 終了から4か月間の公表の禁止》
契約書を交わしてから1か月は撮影ができず、撮影後も4カ月は販売はもちろんPRもできない。しかし出演した女優はSNSで宣伝できるという。これは意に反する撮影だったら販売前に差し止めができるようにしたものだからだ。
しかし、この条文はAVメーカーを潰すことになると危惧されている。なぜならAVを制作する際、4ヶ月公表禁止となると、5ヶ月後に販売が開始され、支払いサイトから入金がくるのが7ヶ月後になる仕組みだからだ。しかもAVメーカーは銀行の融資が受けられないため出演料や次の作品を作るための制作費が賄えなくなるかもしれない。おまけに出演者が販売差し止めを希望すれば最短二日で販売ができなくなる。これではメーカーは制作を止めてしまう恐れが出てくる。
そうなると適法AVと呼ばれるメーカーがなくなり、女性を食い物にする輩が作った同人AVで穴埋めされるかもしれない。実際に現場が止まったセクシー女優に同人AVの現場から出演依頼が来た例もあるという。また、一旦契約書にサインしたら撮影日まで何があっても参加しないといけなくなるのも現場を苦しめている。現役のセクシー女優・一条みお氏が以下のようにツイートをしたことでも明らかだ。
《AV新法のおかげで『差し替え』が出来なくなっちゃった?
撮影契約から1ヶ月以内の間
どんなに熱を出しても
どんなに体調不良でも、身内に不幸があっても
代わってくれる女優さん男優さんを用意してはいけない
違法になるらしい
一般的労働条件では、お仕事って休む時誰かが代わってくれたりするのにね》
もし体調不良になっても代わりの女優・男優を探すことすらできないのはおかしな話である。一条氏がつぶやいたように代役を用意するのは当然のこと。できないとなると現場は飛んでしまう恐れがある。これでは被害女性を救うためにはAV業界そのものをなくせばいいと言われても仕方ないだろう。